医療法人とは｜メリットやデメリット、目的などをわかりやすく解説！

本記事では、医療法人の概要について特集します。

医療法人の定義や目的、種類、さらには医療法人化することのメリット・デメリットを解説します。

ぜひご参考ください。

医療法人の定義

医療法人は、医療機関や福祉施設の運営を行うために設立された法人格を持つ団体です。主に病院、診療所、歯科診療所、薬局、介護施設などを運営し、医療や福祉サービスの提供を目的としています。

医療法人は、医療サービスの質を向上させ、地域社会や国民の健康と福祉に寄与することを目指しています。そのため、医療法人は、医療機関や福祉施設の運営に関する厳格な基準や規制に従って活動を行うことが求められます。

医療法人の目的

医療法人を設立する目的は、医療サービスの質の向上や福祉サービスの提供などがあげられます。

目的の中でも、最も優先順位が高いとされるのが、法人格を持つことによる経営の安定化です。法人格を持つことで、個人事業主に比べて経営の安定化を図ることができます。

法人として運営することで、資金調達や事業拡大の際に有利な条件を得られることが多くなります。

医療法人の特徴

医療法人は、主に医療機関や福祉施設を運営するために設立される法人です。
医療法人の特徴ですが、主に下記の内容があげられます。

法人格

医療法人は法人格を持ち、法的な権利と義務を有します。これにより、他の法人や個人と契約を結ぶことができ、財産や事業を継続的に運営することが可能です。

非営利性

医療法人は、非営利法人であり、利益を目的とせず、社会福祉や公共の利益に貢献することを目的としています。そのため、収益は主に医療サービスの質の向上や施設の維持・拡充に充てられます。

規制と基準

医療法人は、その法人の性格から厳格な法規制や基準に従って運営されることが求められます。これにより、社会性が高い医療サービスの質を維持・向上させることが図られます。

社会貢献

医療法人は、地域医療の向上や高齢者や障害者の福祉に貢献することを目指しています。そのため、地域社会や国民の健康と福祉に寄与することが期待されます。

医療法人の種類

医療法人は大きく分けて、社団医療法人と財団医療法人の2つに分類されます。

社団医療法人

社団とは社員・構成員によって構成される団体を言います。

社員は株式会社における株主に近い立場で、法人の運営に対する影響力を持っています。

つまり医療法人社団とは、社団からなる医療法人で、個人（または法人）が拠出した財産に基づいて設立された法人です。

現在、社団医療法人が医療法人全体の99％を占めています。

財団医療法人

財団とは、個人や法人からの寄附金を基に設立された法人で、その寄附金には持分が認められていません。
現在、医療法人全体で財団医療法人が占める割合は1％程度です。 

その他、医療法人には、公益性の高い事業（救急医療、周産期医療を含む小児救急医療、へき地医療、感染症患者への医療、災害医療など）を行う機関で都道府県知事の承認が必要な社会医療法人。

医療の普及および向上、社会福祉への貢献、その他公益の増進に著しく寄与し、かつ公的に運営されていることにつき、国税庁長官の承認を受けた特定医療法人などがあります。

医療法人化することのメリット

医療法人化することのメリットには、複数のメリットがあります。
主なメリットについて、下記に取り上げます。

経営の安定化

医療法人として運営することで、経営が安定し、事業の継続性が高まります。また、法人が法的責任を負うことで、個人事業主に比べて経営者の責任が軽減されることがあります。

資金調達の容易化

法人としての信用力が向上し、資金調達が容易になることがあります。銀行からの融資や助成金の受け取りなど、医療法人としての経済的な支援を受けやすくなります。

非営利性の強調

医療法人は非営利組織であり、社会福祉や公共の利益に貢献することを目的としています。このため、地域社会や患者からの信頼が高まり、医療サービスの提供において良好な評価を受けることが期待できます。

税制上の優遇措置

医療法人は、一定の要件を満たすことで、法人税や消費税などの税制上の優遇措置を受けることができます。これにより、運営費用の削減や収益の再投資が可能になります。

人材の確保

医療法人化することにより社会的信用度が高まり、個人事業主と比較して人材の確保が容易になります。

医療法人化することのデメリット

医療法人化にはメリットが多い一方で、デメリットも存在します。
主なデメリットについて、下記に取り上げます。

設立・運営の手続きが煩雑

医療法人を設立する際には、法人設立の手続きや必要書類の提出が求められます。また、運営にあたっては、定期的な報告や会計監査が必要となり、手間とコストがかかります。

法規制の厳格さ

医療法人は、法令に基づく厳格な規制や基準に従って運営されることが求められます。これにより、運営にあたっての制約が強く、自由度が低くなることがあります。

経営の透明性が求められる

医療法人は、非営利組織であるため、運営に関する情報が透明であることが求められます。そのため、内部情報の公開や監査が求められることがあります。

利益の分配制限

医療法人は、非営利組織であるため、法人が得た利益は主に医療サービスの質の向上や施設の維持・拡充に充てられます。そのため、経営者や株主への利益分配が制限されることがあります。

まとめ

本記事では、定義や目的、種類、さらには法人化することのメリット・デメリットなど医療法人の概要について特集しました。

医療法人化することには、メリットもある一方でデメリットも存在します。

医療法人化を検討する際には、メリット・デメリットを比較検討して判断することが重要です。