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精神科医になるには|必要な資格、学歴、平均年収などを特集!

聴診器

現代社会はストレスが溢れる環境であり、精神科医の役割がますます重要になっています。

精神科医になるための道のりを知りたいとお考えの方も多いかと思います。

この記事では、精神科医とは何か、どのような学歴や資格が必要か、そして精神科医の平均年収などについて特集します。

精神科医とは

精神科医は、精神疾患や心の問題を専門に診断・治療を行う医師です。

精神科医が診療および治療を行う主な疾患には、うつ病や双極性障害といった気分障害、適応障害やパニック障害といった不安障害、アルコールや薬物の依存症が含まれます。

さらに、近年メディアで取り上げられることが多い発達障害や自己愛性パーソナリティ障害などの患者も診療対象です。

精神科医には、どのような状況でも、薬物療法や精神療法、あるいは両方を組み合わせた治療を実施しながら、患者の心の問題を解決していくことが求められます。

精神科医と心療内科の違いについて

精神科医と心療内科医は、似たイメージを持たれる診療科ですが、実際にはそれぞれ異なる専門性やアプローチがあり、違いがあります。

精神科医と心療内科医の違いは、扱う疾患の範囲と治療方法にあります。

精神科医は、精神疾患全般を診断・治療し、薬物療法を含む幅広い治療法を行います。一方、心療内科医は、精神疾患の中でも特にストレスや心身症に関連する症状を診断・治療し、主に薬物療法を行います。

精神科医になるための学歴や資格

精神科医になるには、まず大学の医学部に進学し、医学博士の学位を取得し、医師国家試験に合格することが必要です。医学部では、6年間をかけて基礎医学や臨床医学などの幅広い知識を学びます。

卒業後、研修医として2年間の臨床研修を受け、その後、精神科の専門研修を行います。

専門医資格については、日本精神神経学会が認定する精神科専門医制度において、専門医試験に合格することで、精神科専門医の資格を取得できます。専門医資格は、専門的な知識や技術を持ち、高度な診療ができることを証明するもので、信頼性やキャリアアップにも繋がります。

精神保健指定医資格について

精神科医として第一線で働くためには、一般的には「精神保健指定医」の資格を取得する必要があります。

精神保健指定医とは、精神科医療に特有の医療保護入院、措置入院、応急入院など、患者さんの意思にかかわらず法律に基づいて「強制入院」させる権限を持った医師のことを指します。そのほか、精神保健指定医は入院中の患者さんの行動制限を決定したり、精神医療審査会の立ち入り検査に立ち会ったりする権限も持っています。

患者さんの人権を守りながら適切な精神科医療を実践できる資質の証明として、精神保健指定医資格が効力をもつわけです。

精神保健指定医資格を取得するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。初期臨床研修を終えて精神科専攻医として3年以上の実務経験を積めば資格を取得できることになり、その後は精神科専門医資格の取得をめざすのが精神科医の一般的なキャリアパスです。

【精神保健指定医の資格取得要件】

・5年以上診断または治療に従事した経験を有すること。

・3年以上精神障害の診断または治療に従事した経験を有すること。

・厚生労働大臣が定める精神障害につき厚生労働大臣が定める程度の診断または治療に従事した経験を有すること。

・厚生労働大臣の登録を受けた者が厚生労働省令で定めるところにより行う研修(申請前1年以内に行われたものに限る)の課程を修了していること。

他診療科から精神科への転科

他の診療科から精神科に転科することは可能です。しかし、精神科の専門的な知識や技術を身につけるためには、専門研修を受ける必要があります。

精神科専門医の資格を取得するためには、3年以上の精神科専門研修を受け、専門医試験に合格する必要があります。

転科を検討している場合は、キャリアプランや目標に照らし合わせて、精神科医になるための道のりを慎重に計画することが重要です。

精神科の医師は仕事内容や勤務環境も特殊性が高い

「精神科の医師は大変」と感じる方も多いでしょう。

精神科の業務は、大きな身体的負担はほとんどないとされていますが、他の診療科とは異なる独自のケースに対応が求められます。

例えば、混乱している患者さんへの対応や、問題を抱えた家庭環境の患者さんの家族との密接な連携が必要な場面もあります。また、精神科医療では、ガイドラインに従った治療が必ずしも症状の改善につながらないこともあるため、柔軟な判断が求められます。さらに、自傷や他害行為を伴う疾患が多く、医療保護入院が必要かどうかを迅速に判断することも大切です。

精神科の業務は、こうした特殊性があり、やりがいがある一方で、勤務環境の負担を感じることもあります。精神科医を目指す医師は、このような診療の特徴を考慮し、自分の適性や考え方と照らし合わせて考えるのが良いでしょう。

精神科医の給与について

「労働政策研究・研修機構」が2012年に行った「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、精神科医の平均年収は1,230万円です。全診療科の医師の平均年収は1,261万円なので、精神科医の給与は平均より若干低いです。

年収別に見ると、精神科医の最も多い年収帯は1,000~1,500万円未満で33.0%です。年収2,000万円以上の精神科医は10.6%で、全体平均(10.0%)とほぼ同じです。

これらのデータから、精神科医の給与は特別高くはないものの、働き方によっては高収入を得られる可能性があると言えます。

転職を考える際に収入を重視するなら、精神保健指定医や精神科専門医の資格を取得すると有利です。さらに、電気痙攣療法などの特殊なスキルを持つ医師は、好待遇で求める医療機関もあります。そのため、専門技術を習得することはアピールポイントに繋がり、高収入が期待できます。

まとめ

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精神科医は、精神疾患や心の問題を専門に診断・治療する医師で、薬物療法や精神療法を実施します。

精神科医になるためには、医学部を卒業し、医師国家試験に合格し、研修医として臨床研修を受け、その後精神科の専門研修を行います。専門医資格や精神保健指定医資格を取得することが一般的なキャリアパスです。

精神科医の業務は大変ですが、その分のやりがいがあります。

現代社会のストレス溢れる環境で、精神科医へのニーズは今後さらに高まっていくでしょう。そのような背景から、医療における精神科医が担う役割は、今後、広がっていくことが予想されます。

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