クリニックや病院の集客方法|成功ポイントとおすすめの対策を解説!
「クリニックを新規開業したが、なかなか患者さんが来院せず、計画していた通りに進まない」、「最近、病院の新規患者さんの来院が落ち込んでいる」とお感じになる先生は少なくありません。
そこで、クリニックや病院の集客対策を見直す必要が出てきます。
では、どのように集客対策を見直していけばよいのでしょうか?
そこで、この記事ではクリニックや病院の集客方法と成功のポイント、おすすめの対策、そして具体的な集客事例をご紹介します。
クリニックや病院で集客が進まない理由
クリニックや病院で集客がうまく進まない…。
そこには、集客がうまく進まない理由が必ずあります。
そこでまず初めに、クリニックや病院で集客がうまく進まない理由をご紹介します。
クリニックや病院が認知されていない
まず一つ目の理由として、患者さんに「クリニックや病院が認知されていない」ことがあげられます。そもそも患者さんがクリニックや病院を知らなければ、患者さんが病気になった際の受診先の候補に入ることはありません。
患者さんにクリニックや病院を認知してもらうことは、集客活動の最初の対策となります。
クリニックや病院の特徴が伝わっていない
2つ目の理由には、患者さんがクリニックや病院のことを知っている(認知している)が、診療内容をはじめとする特徴を知らないことがあげられます。
患者さんが受診先を選ぶ際には、診療科や所在地などの基本情報から診療医の資格・経歴や具体的な診療内容などの情報を認識している必要があります。
競合する他院との違いが伝わっていない
3つ目の理由は、患者さんに競合するクリニックや病院との違いが伝わっていないことです。
患者さんが自院の特徴を知っていたとしても、既にかかりつけ医がいて他院を受診していた場合、他院から自院へ受診先を切り替える理由・動機が必要になります。
また始めて受診先を選ぶ場合でも、どのクリニックや病院が良いかを患者さんは比較検討します。
その際に、他院との違いがしっかりと伝わっていないと自院が患者さんに選ばれることはありません。
患者さんのニーズと診療内容・特徴が合致していない
4つ目の理由は、患者さんのニーズとクリニックや病院が提供する診療内容・特徴が合致していないことがあげられます。
例えば自由診療において、低価格を求めている患者さんに対して診療の質の高さを訴求しても、その患者さんは魅力を感じません。
受診予約の方法が限られる
最後の理由は、受診予約の方法が限られることです。
事例には、「24時間予約ができるWeb予約が導入されておらず、受診の予約方法が電話のみで日中しか予約ができない」などがあげられます。
集客対策を考える上でのポイント
集客が進まない理由が分かったところで、次におさえておきたいのが集客対策は考える上でのポイントです。
ここからは、集客対策は考える上での4つのポイントをご紹介します。
マーケティングファネルを意識して集客対策を組み立てる
まず1つ目は、「マーケティングファネルを意識して集客対策を組み立てる」ことです。
ファネルとは、「漏斗(ろうと・じょうご)」を意味します。マーケティングファネルは、このファネルが、認知から購入にいたるまでの購買行動を示す形を示します。
マーケティングファネルは、購買行動の各工程「認知→興味・関心→比較・検討→購入」の段階を踏んでいきます。
クリニックや病院の集客対策を考える上では、どの工程に課題があるのか、その課題に対してどのような広告で対策を打つのかを適切に組み立てていくことが重要です。
ターゲット層に合った広告媒体・内容を選ぶ
2つ目は、「ターゲット層に合った広告媒体・内容を選ぶ」ことです。
患者さんが、「高齢者であるのか・若年者であるのか」、「男性であるのか・女性であるのか」などターゲット層によって選択すべき広告媒体や広告内容は大きく変わります。
例えば中高年男性がターゲット層であるにも関わらず、TwitterやInstagramなどのSNS広告を選択することは成果が乏しい広告施策と言えます。一方で若年女性をターゲット層にするのであれば、TwitterやInstagramなどのSNS広告は成果が見込めるでしょう。
このようにクリニックや病院の広告施策を考える際には、「ターゲット層に合った広告媒体・内容を選ぶ」ことが重要です。
競合する他のクリニックや病院との違い(差別化)を明確にする
3つ目は、「競合する他のクリニックや病院との違い(差別化)を明確にする」ことです。
患者さんが治療先を選ぶ基準としては、医療サービスの内容、治療実績、医師の専門性(資格や経歴)、診療時間の便利さ、アクセスの良さ、口コミなどが挙げられます。
そのような中で、競合する他のクリニックや病院との違い(差別化)を生み出し、その情報を伝えることで、患者さんに自院の特長を理解してもらうことができます。
自院の特徴と患者さんのニーズが合致すれば、患者さんの来院が期待できます。
ただし、医療広告ガイドラインには、競合する他院と比較して自院が優れていることを示すこと(比較優良広告)は禁止されています。したがって、あくまでも広告を行う際は、自院の情報だけを用いて差別化を図ることが大切です。
ホームページなどWebサイトを充実させる
4つ目に取り上げるのが、「ホームページなどWebサイトを充実させる」ことです。
近年、スマートフォンが急速に普及して、Google検索やYahoo!検索などインターネット上の検索行動は日常的なものになりました。
公共交通機関や看板、新聞広告、チラシなどでクリニックや病院の広告を見たとしても、最終的に患者さんが情報収集をする媒体はホームページです。
そのホームーページがお粗末な内容であっては、集客は見込めないでしょう。
最終的に患者さんが情報収集をする媒体、言わば広告の最終地点となるホームページなどのWebサイトはきっちりとリソースを割き、充実させておく必要があります。
広告の費用対効果を検証して施策を見直す
最後に取り上げるのが、「広告の費用対効果を検証して施策を見直す」ことです。
ビジネスにおいて「PDCAサイクル」というフレームワークがあります。
このPDCAサイクルとは、「Plan→ Do→ Check→ Action」の4工程を繰り返して業務を継続的に改善する方法を意味します。
クリニックや病院の広告においてもPDCAサイクルを回すことが重要で、実施した広告施策は費用対効果を検証して常に見直すことが重要です。
なお広告施策の費用対効果を検証する場合は、顧客生涯価値(LTV)に着目して行うことをおすすめしています。
クリニックや病院の集客方法・広告施策
ここからは実際に患者さんの集客を行う上で、どのような広告施策があるのかをご紹介していきます。
広告施策については、オフラインとオンラインの2つに分けて取り上げていきます。
オンラインの広告施策
ホームページ
「広告施策のポイント」の際にもご紹介しましたが、インターネット上の検索行動が日常的になった現代において自院のホームページは極めて重要な広告媒体となります。
ホームページを見た患者さんが魅力を感じて自院に来院していただけるよう、コンテンツ・デザインなどしっかりと作り込でんいく必要があります。さらにホームページは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索上位化させることも大切で、そのためのSEO対策(検索上位化対策)は必要不可欠です。
その他、予約フォームを設置するなどして患者さんの利便性を高めることも重要です。
ポータルサイト
ポータルサイトとは「病院なび」や「Caloo」、「EPARK」など医療機関の情報を網羅・掲載しているWebサイトのことです。
近年、Googleなどの検索エンジンがオウンドメディア(自院のホームページなど)を優先して評価する傾向にあるため、ポータルサイトの影響力は低下傾向です。
それでも依然として、ポータルサイトが患者さんの集客において一定の影響力を誇ることに変わりありません。
ポータルサイトにも自院の情報をできる限り掲載していきましょう。
Googleビジネスプロフィール
「Googleビジネスプロフィール」とは、Googleマップ上に表示される店舗情報を掲載できるサービスのことを指します。
一般的には旧称の「Googleマイビジネス」と呼ばれることが多いです。
Googleビジネスプロフィールは無料で医院情報が掲載でき、掲載情報の充実や口コミの促進を図ればGoogleマップ上での検索順位が最適化され露出が増えます。
その結果、Googleマップを通じた集客を図ることができます。
SNS
SNS(ソーシャルネットワークサービス)はオンライン上で交流できる会員制サービスを意味し、具体的にはInstagramやTwitter、YouTubeなどがあげられます。
医療においては診療科によってSNSが機能する・機能しないが色濃く出る傾向にあります。
若年層がターゲット層になる場合は、SNSは外せない広告媒体と言えます。
リスティング広告
リスティング広告は、インターネット上の検索行動、その中でも最も身近な検索エンジンであるGoogleとYahoo!のWeb広告「Google広告・Yahoo!広告」の総称を意味します。
地域・年齢層など細かくターゲティングができ、かつ数字ベースでの効果検証が可能です。
広告としての費用対効果を計測しやすい点は、新聞や看板といった従来の広告媒体と比較してリスティング広告の大きなメリットと言えます。
オフライン(リアル)の広告施策
連携医紹介
オフライン(リアル)の患者さんの広告施策で意外と抜けがちなのが、連携医療機関からの紹介です。
連携医との信頼関係を築く必要があるため時間はかかりますが、信頼関係を構築して紹介実績ができれば持続的な集客が見込めます。
コストも交際費用程度にとどまりますので、連携医療機関の獲得活動は力を入れて取り組みたい施策です。
新聞広告
医療機関における新聞広告は、費用・エリア購読部数の関係から地方新聞での広告掲載が多くなっています。
新聞紙面の記事は「段」というブロックで構成されています。
1ページの縦幅を15分割したブロックが「1段」と呼ばれ、 広告もこの「段」という単位を用い「2段」「5段」、「半5段(5段の半分)」などのサイズで広告が掲載されます。
チラシ
チラシには、ポスティングチラシや新聞の折込チラシなどがあげられます。
チラシは不特定多数に配布することになるためターゲットの絞り込みができないデメリットはありますが、直接触れて確認できる広告媒体のため印象に残り、成果があがりやすい広告施策と言えます。
ただし、医療機関のチラシ広告については「内覧会」や「市民公開講座」など行う上で制約があります。
その点は注意が必要です。
看板
医療機関の看板といえば、ロードサイン(道路沿線に設置される看板)が多くなっています。
看板と聞くと旧来式広告の印象を受けますが、首都圏で圧倒的な数(340ヶ所以上)の看板を出している「きぬた歯科様」のような成功事例もあります。
場所や看板デザインなどで成果が分かれる広告媒体とも言えます。
TV
TV広告には主に「TVCM」、「TV番組出演(パブ放送)」の2種類があります。
影響力は極めて大きい広告媒体ですが、その分費用も高額です。
また放送番組によって視聴者層が異なるため、しっかりと放送番組のターゲティングを行った上で実施することが重要です。
(TVはオンラインの要素も含まれるのですが、Webを介さないという視点でオフラインに分類しています)
その他、オフラインの広告には雑誌・フリーペーパー広告、公共交通機関広告(バス・電車)、ラジオCMなどもあげられます。
ポイントを意識して集客対策を組み立てる
オンラインからオフラインまで集客対策は多種多様です。
では、多岐にわたる集客対策をどのように組み立てて集客を進めていくのか?
そのポイントは先ほどもご紹介したように「マーケティングファネルを意識して集客対策を組み立てる」、「ターゲット層に合った広告媒体・内容を選ぶ」ことです。
また競合する他院との差別化を図るため、医療広告ガイドラインで認められる範囲内で自院ならではの特徴をしっかりと発信していく必要があります。
その上で実施した広告施策の費用対効果を検証して、定期的に施策を見直していけばクリニックや病院の集客が進みます。
クリニックや病院の集客対策ランキンキング
ここまでクリニックや病院の集客が進まない理由、集客を進める上でのポイント、具体的な広告施策などについてご紹介しました。
ここからはクリニックや病院の集客で、おすすめの対策をランキング形式(トップ3)でご紹介します。
3位:リスティング広告
おすすめの集客対策の3位は、リスティング広告です。
リスティング広告は、ターゲティングを細かく設定でき即効性もある広告施策です。
さらに数字ベースで効果検証が可能なため、クリニックや病院の集客において効果的な広告施策の一つです。
難点は広告運用にノウハウが必要で難しいことがあげられます。しかし、その点さえ解消すれば費用対効果は極めて高いです。
2位:Googleビジネスプロフィール
おすすめの集客対策の2位には、Googleビジネスプロフィールを取り上げます。
Googleビジネスプロフィールは、コストをかけずに集客効果が見込める広告媒体です。
患者さんが自ら投稿する形で口コミが掲載されることも魅力で、その機能をうまく活用すれば大きな成果があがります。
(医療広告において医療機関側から患者さんの声を発信することは基本的に不可のため、ビジネスプロフィールの口コミ機能は活用の余地があります。)
1位:ホームページ・SEO対策
おすすめの集客対策の1位は、ホームページです。
ホームページは、患者さんの受診行動において情報収集の最終着地点になる可能性が高い媒体です。
そのためしっかりと作り込み、患者さんへホームページを通じて自院の魅力をしっかりと伝えることが重要です。
またホームページは、アクセスされなければ意味がありません。そのため、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索上位化させることも重要です。
ホームページの運用を行う中で、SEO対策は必要不可欠です。
クリニックや病院の集客事例
ここからは実際に当社が手掛けた集客事例を通じて、クリニックや病院での集客対策を検討・実施する際のポイントを整理していきます。
リスティング広告を活用して手術件数を倍増
一つ目の事例として、リスティング広告を活用して手術件数を倍増したクリニックをご紹介します。
このクリニックは日帰り手術を専門に提供しており、以前からリスティング広告を利用していました。しかし、その手術件数は月間20件程度と伸び悩んでいました。
そのよう中で当社に集客対策のご依頼をいただき、リスティング広告の設定の見直しを実施。また、従来のリスティング広告がGoogle広告のみの広告出稿であったため、新たにYahoo!広告の広告出稿も行いました。
その結果、リスティング広告経由での申込数は約3倍増加し、月間の手術件数も50件以上と大幅に増加しました。
リスティング広告自体を活用することで成果につながることは多いですが、今回の事例のように広告の内容や運用方法を見直すことで更なる成果に繋がることが期待できます。また、広告審査が厳しいYahoo!広告においても、しっかりと広告審査をクリアして活用していくことが重要です。
Googleビジネスプロフィールのクチコミ対策で集客を促進
2つ目の事例は、Googleビジネスプロフィールのクチコミ対策で集客を促進した歯科のクリニックをご紹介します。
このクリニックでは、Googleマップの口コミの少なさと一部批判的な口コミによる全体スコアの悪化に悩まされていました。そのよう中で当社にご依頼をいただき、クチコミ対策を中心としたGoogleビジネスプロフィールの対策を実施。
対策3ヶ月で口コミの数は、3から15に大幅に増加、口コミの全体スコアも3.3から4.5に改善しました。さらに、以前は口コミに対する返信が行われていなかったため、丁寧な内容で返信する対応も取り入れました。
その結果、「口コミを見た」という形で来院される患者さんが増え、クリニックの集客が加速しました。
患者さんが受診先を選ぶ際には、クリニックの特徴、医師の専門性、アクセス情報だけでなく、そのクリニックの口コミを確認することが一般的です。その際、口コミが少ない場合、批判的な口コミが目立つ場合、または全体的なスコアが低い場合などは、患者さんがそのクリニックを選ぶ可能性は低くなります。
そのため、受診先を選ぶ患者さんに対して、多くの高評価の口コミを届け、口コミを通じてクリニックの信頼度を高めることが重要です。
ホームページのアクセス数の増加にともない集客が加速
3つ目の事例は、ホームページのアクセス数の増加にともない集客が加速した内科クリニックの事例をご紹介します。
この内科クリニックは、長年地域に深く根ざして診療を行っていましたが、近年新規の患者さんが減少するという課題に直面していました。そんな状況下で、新規の患者さんの集客を目指し、当社にホームページのリニューアルを依頼されました。
以前からホームページは存在していましたが、SEO対策が全く行われておらず、月間のアクセス数(ページビュー数)は4,000程度で停滞していました。しかし、ホームページは長年にわたり運用されてきたため、ドメインランクは高く、「宝の持ち腐れ」状態にあるといえました。
そこでリニューアルにあたっては、SEO対策をしっかりと施したホームページを制作。元々8ページだったホームページを25ページ以上に拡大し、コンテンツも充実させました。
その結果、リニューアル後のホームページの月間アクセス数(ページビュー数)は30,000以上に大幅に増加しました。さらに、Google検索では、「地域名+疾患」や「地域名+診療科」の検索キーワードで上位表示されるようになり、新規患者さんの来院が増加。これにより、クリニックの集客が大幅に加速しました。
多くのクリニックの先生とお話をする中で、「ホームページを作成したが、それが成果につながらない」という声をしばしば耳にします。その主要な原因として、SEO対策が十分に行われておらず、ホームページへのアクセスが少ないことが挙げられます。
たとえデザインが優れていて、内容が充実したホームページを作成したとしても、それが患者さんに適切に届かなければその価値はありません。そのため、ホームページを作成する際には、デザインや内容だけでなく、SEO対策の重要性も強く意識することが必要です。
まとめ:クリニックや病院の集客方法
この記事ではクリニックや病院の集客方法と成功のポイント、おすすめの対策、そして具体的な集客事例をご紹介しました。
クリニックや病院の集客を進める上では、マーケティングの視点をしっかりと取り入れ、患者層にあった広告媒体を選択することが重要です。また患者さんのニーズに合った、かつ他院とは差別化したメッセージを発信していく必要があります。
今回ご紹介した内容がご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。