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FTA(自由貿易協定)とは|メリット・デメリットをわかりやすく簡単に解説!

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新聞や雑誌の経済記事でみかける「FTA」という言葉。
「FTAという言葉が略称であることは分かるけど、具体的に何の略称かは分からない」、「FTAが貿易に関する協定を意味するというのは知っているけど、その詳細がいまひとつ分からない」、「FTAを締結することで、どのようなメリット・デメリットがあるの!?」などの疑問が湧いてきます。

この記事では、FTAの意味や目的、そのメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。ぜひ、ご参考ください。

FTAとは何か

FTAとは、 日本語で「自由貿易協定」をさします。英語でいうと、「Free Trade Agreement」になります。「Free Trade Agreement」のそれぞれの頭文字を取ってFTAと略します。

FTA(自由貿易協定)の目的

FTA(自由貿易協定)の目的は、ものとサービスの国同士の貿易の自由化を進め、関税などさまざまな障壁をなくして市場を統合し、自由貿易を進める、経済成長を加速させることです。

現在、世界では,EU(ヨーロッパ連合)やNAFTA(北米自由貿易協定)などの代表的な協定から、2国間の協定も含めると200以上に及ぶFTAが成立しています。日本においては、以前はFTAによる経済のブロック化に反対姿勢でしたが,2002年にシンガポールとのFTA締結以降は、経済活性化のためにFTAを重視するようになっています。その結果、2021年1月現在では、下記の19のFTA(EPA含む)を締結しています。

【参考】日本のFTA/EPAの締結(19協定)
①日本・シンガポール新時代経済連携協定:2002年11月30日発効
②日本・メキシコ経済連携協定:2005年4月1日発効
③日本・マレーシア経済連携協定:2006年7月13日発効
④日本・チリ経済連携協定:2007年9月3日発効
⑤日本・タイ経済連携協定:2007年11月1日発効
⑥日本・インドネシア経済連携協定:2008年7月1日発効
⑦日本・ブルネイ経済連携協定:2008年7月31日発効
⑧日本・ASEAN包括的経済連携協定:2008年12月1日より順次発効
⑨日本・フィリピン経済連携協定:2008年12月11日発効
⑩日本・スイス経済連携協定:2009年9月1日発効
⑪日本・ベトナム経済連携協定:2009年10月1日発効
⑫日本・インド経済連携協定:2011年8月1日発効
⑬日本・ペルー経済連携協定:2012年3月1日発効
⑭日本・オーストラリア経済連携協定:2015年1月15日発効
⑮日本・モンゴル経済連携協定:2016年6月7日発効
⑯環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP、TPP11):2018年12月30日にメキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ及びオーストラリアの間で発効
⑰日本・EU経済連携協定:2019年2月1日発効
⑱日米貿易協定: 2020年1月1日発効
⑲日英包括的経済連携協定: 2021年1月1日発効
※2021年1月時点

FTAのメリット・デメリット

FTAを締結することでどのようなメリットがあるのでしょうか。FTAの最も大きなメリットとしてあげられるのは「市場の拡大」です。FTAを締結することで関税や非関税措置がなくなり、ものとサービスの自由化が進み、その結果、協定国間の市場の一体化が図れ、輸出入の市場の拡大が期待できます。

つまりFTAとは、2つ以上の国や地域の経済市場をできるだけ統一化し、大きくことすることで、経済学でいう規模の効果を追求する方法(協定)です。その他にもFTAを締結するメリットとしては、知的財産制度・競争政策の調整や人的交流の促進、各産業分野での協力関係の強化などがあげられます。

一方で、FTAのデメリットはないのでしょうか。当然ながら、FTAの協定を結ぶことでデメリットが存在しないというわけではありません。協定国間の関税などの規制をできる限り撤廃するわけですから、協定内容によっては、今まで守られていた自国の産業が衰退する可能性があります。また特定分野においては、自国での産業が育たなくなる可能性があります。

ただし、現在はFTAについて、そのメリット、デメリットを比較すればメリットの方が大きいと考えられています。そのためFTAは政策として積極的に推進されています。

FTAとEPAとの違い

FTAと近い意味の言葉で「EPA」という言葉があります。「EPA」とは日本語でいえば「経済連携協定」をさし、英語でいうと「Economic Partnership Agreement」です。FTA同様、それぞれの頭文字を取って「EPA」と略します。

このEPAは、関税の撤廃・削減を定めたFTAの貿易の自由化に加えて知的財産の保護や投資ルールの整備、人材の移動などの分野も連携を深めていくことを目的とした協定です。イメージとしてはEPAの中にFTAが含まれるといったところでしょうか。

FTA(自由貿易協定)をわかりやすく解説(まとめ)

今回ご紹介した「FTA」の意味や目的などをまとめます。

【FTAの意味と目的、メリット・デメリット】
①FTAとは、日本語で「自由貿易協定」をさす。 英語「Free Trade Agreement」のそれぞれの頭文字を取った略称。
②FTAの目的は、ものとサービスの国同士の貿易の自由化を進め、関税などさまざまな障壁をなくして市場を統合し、自由貿易を進めることで経済成長を加速させること。
③FTAのメリットとしてあげられるのは「市場の拡大」。 FTAを締結することで関税や非関税措置がなくなり、ものとサービスの自由化が進み、その結果、協定国間の市場の一体化が図れ、輸出入の市場の拡大が期待できる。
④FTAのデメリットとしては、自国の産業が衰退する可能性、特定分野において自国での産業が育たなくなる可能性があげられる。

この記事では、FTA(自由貿易協定)について特集しました。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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