WTO(世界貿易機関)とは|わかりやすく簡単に解説!目的や活動がわかる
「貿易に関する協定の言葉というのは知っているけど、その意味がいまひとつ分からない」
「WTOはどのような活動を行っているの!?」
などの疑問が湧いてきます。
そこで、この記事では、WTOの意味や目的、その活動についてわかりやすく解説します!ぜひ、ご参考ください!
WTOとは何か
WTOとは、 日本語で「世界貿易機関」をさします。英語でいうと、「World Trade Organization」になります。
「World Trade Organization」のそれぞれの頭文字を取ってWTOというんですね。
WTO(世界貿易機関)の目的
WTO(世界貿易機関)の目的は、「生活水準の向上、完全雇用の確保、高水準の所得及び需要の増加、物品やサービスの生産及び貿易の拡大」です。一言でいえば、「市場原理にもとづいて世界経済を発展させていくための組織」です。
WTOは、1995年1月1日に設立された国際機関です。WTOは、貿易に関連する様々な国際ルールを協定によって定めています。定めた協定にもとづき活動することで、世界経済が持続的な経済成長を遂げること、また不均衡な貿易によって国際間における国同士の関係性が悪化しないこと、などを目指しています。
WTO(世界貿易機関)の発足経緯
ここでWTOの発足経緯について、触れておきます。
WTOの発足に大きく関与しているのが、第二次世界大戦です。第二次世界大戦は、1930年代に起こった不況による世界経済のブロック化で、各国が保護主義的貿易政策を設けたことが大きな原因となっています。
第二次世界体制の反省を受け、1948年にWTOの前進組織であるGATT(ガット)が発足します。このGATTは、貿易における基本的ルールを規定しており、国際貿易体制の基礎を築き、世界的な貿易の自由化の促進を通じて、世界経済の成長に寄与しました。そして、世界貿易上の障壁をなくし、貿易の自由化を促進するために行われた通商交渉「ウルグアイ・ラウンドの交渉」を経て、 1994年により頑強な国際的組織づくりを目指してWTOの設立が合意されました。
WTO(世界貿易機関)の具体的な活動
では、WTOは具体的にどのような活動を行っていくのでしょうか?ここでWTOの具体的活動をご紹介します。
【WTOの具体的活動】
①既にある貿易ルールの強化
〇農業や繊維など特定の物品の貿易に関する協定を作成。
〇国際貿易のルールに関する既存の協定を改正して内容を拡充。
②新しい分野の貿易ルール策定
〇物品の貿易に加え,サービスの貿易に関する協定を作成。
〇貿易に関連する知的所有権や投資措置に関する協定を作成。
③貿易による国同士の紛争解決手続の強化
〇統一された国際的な紛争解決手続を採用。
〇貿易紛争に対してWTO紛争解決手続によらない一方的措置の発動を禁止。
〇紛争解決手続が迅速・円滑に進行するよう手続を強化。
WTOは上記の協定などの実施・運用を行うことで、国際貿易が公正に行われ、世界経済が持続的に成長できるよう取り組んでいます。
WTO(世界貿易機関)の意味と目的、具体的活動(まとめ)
最後に、今回特集した「WTO(世界貿易機関)」についてまとめます。
【WTO(世界貿易機関) まとめ】
①WTOとは、日本語で「世界貿易機関」をさす。 英語「World Trade Organization」のそれぞれの頭文字を取った略称。
②WTOの目的は、「生活水準の向上、完全雇用の確保、高水準の所得及び需要の増加、物品やサービスの生産及び貿易の拡大」。一言でいえば、「市場原理にもとづいて世界経済を発展させていくための組織」
③WTOの発足には、第二次世界大戦の大きな原因となった不況による世界経済のブロック化の保護主義的貿易政策が強く影響している。
④WTOの活動は、既にある貿易ルールの強化、新しい分野の貿易ルール策定、貿易による国同士の紛争解決手続の強化などがあげられる。
以上、この記事では、WTO(世界貿易機関)について特集しました。 最後までお読みいただき、ありがとうございました!