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休業手当の使用者の責に帰すべき事由とは|わかりやすく解説!

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労働基準法では、会社側(使用者)の責任で休業して従業員(労働者)が就業できなかった場合、会社から従業員に休業手当を支払わないといけないと位置づけています。(なお、労働基準法では、会社側の責任で休業した場合を「使用者の責に帰すべき事由による休業」といいます。)

また、その休業時に支払う手当は平均賃金の平均賃金の 100 分の 60 以上の金額でなければならないとされています。

では、「使用者の責に帰すべき事由による休業」とはどのような事例をいうのでしょうか?

今回は休業手当の「使用者の責に帰すべき事由による休業」について特集します!

使用者の責に帰すべき事由による考え方

使用者の責めに帰すべき事由による休業とは、使用者が休業になることを避けるため社会通念上での最善の努力や対応をしたかどうかが判断の基準となっています。

言い換えると、自然災害などの不可抗力で休業せざる負えなかった事由以外は使用者の責めに帰すべき事由に該当するといえるでしょう。

使用者の責に帰すべき事由に該当する事例・該当しない事例

次に使用者の責に帰すべき事由に該当する事例・該当しない事例についてみていきましょう!

使用者の責に帰すべき事由に該当する事例

〇 工場などでの生産調整のための一時休業

〇 親会社の経営難から、下請工場が資材、資金を獲得できず休業

〇 新規学卒採用内定者に対する企業の都合による自宅待機期間の休業

〇 監督官庁の勧告により操業停止した場合の休業

〇 会社が従業員に対して行った違法な解雇による休業

使用者の責に帰すべき事由に該当しない事例

〇 天災事変による休業

〇 休電による休業

〇 労働者側のストライキに対して、使用者側が作業所閉鎖をした場合の休業

〇 労働協約、就業規則、労働契約等で休日と定められた日

この中でも、「監督官庁の勧告により休業した場合が使用者の責に帰すべき事由であれば、労働者がストライキを起こして、作業所が閉鎖した場合も使用者の責に帰すべき事由じゃないの!?」と思われる方がいるかもしれません。

これについては以下のような見解が厚生労働省から出ています。

「使用者が争議行為として作業場閉鎖を行うことは、労働者に与えられた争議権に対抗して、使用者に認められた争議手段であるので、これが正当な範囲を超えない限り「使用者の責に帰すべき事由」には該当しない」

(昭和23.6.1基収第1953号)

つまり、労働者側のストライキに対して、使用者側が作業所閉鎖をした場合の休業は会社側の正当な争議行為の範囲内と解釈され、使用者の責に帰すべき事由には該当しないんですね。

【まとめ】休業手当の使用者の責に帰すべき事由による休業とは

最後に今回特集した「休業手当の使用者の責に帰すべき事由による休業」についてまとめます。

使用者の責めに帰すべき事由による休業とは、使用者が休業になることを避けるため社会通念上での最善の努力や対応をしたかどうかが判断の基準となっている。

使用者の責に帰すべき事由に該当する事例には、工場などでの生産調整のための一時休業、親会社の経営難から、下請工場が資材、資金を獲得できず休業、新規学卒採用内定者に対する企業の都合による自宅待機期間の休業などがあげられる。

使用者の責に帰すべき事由に該当しない事例には、天災事変による休業、労働者側のストライキに対して、使用者側が作業所閉鎖をした場合の休業、労働協約、就業規則、労働契約等で休日と定められた日などがあげられる。

以上、「休業手当の使用者の責に帰すべき事由とは何か!?その事例を特集!」でした。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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